4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。
6日目の記事はこちら
今日は盛りだくさんでした!Newcastle大学でCentre for Rural Economy(CRE)のイベントに参加したあと、インタビュー調査でStamfordham村へ。
大学へ向かう途中St. James駅を通ったのですが、ニューカッスルユナイテッドに染められていたので思わずパシャリ。いつか試合でも観てみたいものです。
CRE主催のイベント‘CRE Research Showcase & Networking Lunch: Critical food, farming, environment, and rural issues’ では、イギリスの農村研究のトレンドを知ることができました。
農林漁業すべてにまたがる領域で研究がなされていて、
●サステイナビリティ・・・カーボンフットプリント表示と消費行動の関係、フードウェイスト対策、乳牛から排出されるメタンの分析、ネットゼロへ向けた農村コミュニティの支援、持続可能な小規模漁業、持続可能なツーリズム
●ジェンダー平等・・・農業農村地域における女性の役割
●貧困・・・生活費の高騰が農村世帯に与える影響、社会保障システム
●メンタルヘルス・・・農家のWell-being、気候変動に対する不安、テナントファーマーの権利
●ルーラルイノベーション・・・農村起業の支援、農村ビジネスのレジリエンス
などなど、どれも興味深かったです。
1人3分ずつのピッチをまわして、あとで気になる人に声をかける形式。とても楽しかった。日本の大学でもこういう場をつくりたいなあ。
お昼ごはんはヴィーガンソーセージかチキンのトマト煮込みとコロコロポテトフライ。7日目にしてやっとイギリス料理らしいものを食べた気がします。
(日本のお菓子もよろこんでくれました キットカットよりもアルフォートの方が人気)
お腹も知的欲求も満たされたところで、Stamfordhamという人口650人ほどの小さな村へ(イギリスの行政区としてはパリッシュコミュニティに相当します)。Stamfordham Village Hall(日本でいう私設公民館・コミュニティセンターのようなもの)を拠点に活動されているコーディネーターの方々にお話をお聞きしました。
この施設の歴史は長く、なんと16世紀からはじまります。もとは学校だったようです。
大きなホールは結婚式の二次会や誕生日パーティーなどで使われているそうで、こうした施設のレンタル料で自主財源の確保にも努めているとのことでした。
キッチンも設備されていて、コロナ禍ではランチボックスをつくって周辺のお年寄りのお宅に届けていたそう。日本の農村でも似たようなお話は聞いたことがあったので、考えることは一緒だなあと思いました。
(手づくりマーマレードも販売中)
コミュニティコーディネーターの方々は結婚やお仕事を機にStamfordhamに移住されたそうなのですが、この場所にたくさん助けられたからこそ、今その恩返しをしているのだとお話してくださいました。ここを維持管理して次世代につないでいくということがとても大切なのだとおっしゃっていて、まさにPlace attachment(場所愛着・地域愛着)だなあと感じました。
若い世代など今はコミュニティに関わろうとしていなくても、いつか関わりたいと思ったときにこの場があるようにKeep goingするんだという姿勢もとても印象的でした。
ちなみに、今回のインタビューは月曜日に参加した国際交流コミュニティGlobeで、以前からお世話になっていたPhilipさんに再会し、研究のことをお話したことから実現しました。協力してくれそうな友達いるよ〜とつないでくださったのです。本当にありがたかったです。
インタビュー後にはPhilipさんのお宅で夜ご飯をごちそうになりました。めっちゃおいしかった。もりもりいただきました。
(お豆とひき肉のトマト煮込みにチーズをどっさりかけて)
(奥様の手づくりミンスパイ♡)
ご飯を食べたあとは、あたたかい光の落ち着くお部屋で大きなコーチに腰かけながらゆったりおしゃべり。日本でいうお茶の間というのか、こたつでまったりしているような感覚に近かったですね。ヒュッゲとかフィーカとか、こういう時間のことをいうのかもしれません。
PhilipとHelenといろいろお話をしたけれど、18才の頃に戻れるとしたら別の道を選ぶ?っていう問いが心に残っているなあ。
私は同じ道を選んでいた気がします。PhDまで進んだかは別として、18才の時点では農村地域の暮らしや環境問題についてもっと知りたいという漠然とした想いしかなくて、逆にいうと、ほかにやりたいことや興味があることがあまり思い浮かばなかったです。
これまで歩んできた道に後悔はまったくなく感謝もしています。それだけでほんとうに幸せなことだなとあらためて感じた夜でした。