世界と日本の風と土

世界と日本の風と土

日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

農家さんとシェフと私~東京の畑でとれた野菜がディナーコースになって食べられるまで~

東京の”農”に革命が起きつつあるかもしれない。ちょっと大袈裟かもしれないけど、思い返せば返すほど、すごい瞬間というか空間を共にしてしまいました…!

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キッチンで野菜への想いを語る農家さん

 

こんにちは!本当に美味しいものを食べると何日もお腹がすきませんSaeです。先週の火曜日からずっとお腹がいっぱい。どうしましょう…笑

この間、お世話になってるシェフの企画で、農家さんを巡ってその日とれた野菜だけでつくったディナーコースを食べるという会に参加したのですが、これがすごすぎて!

地産地消から地消地産への転換、農場から食卓までどころじゃなく、食卓に農場がやってきちゃったみたいな衝撃がありました。

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点でも線でも面でもなく、空間

結論からすると、生産ー加工ー消費というように点を線で結ぶだけじゃなくて、生産・加工・消費を同時に体験できる空間をつくることがこれから重要になるんじゃないかという話です。

 

自分でもうまく考えがまとまらないのですが、イメージこんな感じ。

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農家さん(生産) も シェフ(加工) も 私(消費) も、それぞれがベクトル(向きと大きさ)を持っていて、それぞれの時間軸の中で生きている。食という面で切れば、確かに3者が線で結ばれているんだけど、消費者からすると農家さんやシェフの顔は見えても、その人たちがどこで・どうやって・どんな想いで食と向き合ってるかっていうのは、なかなか感じられない。

それが、3つのベクトルが交わった時、つまり一緒に畑から食事をつくりあげた時(図の★)、それぞれが辿ってきた時間や想いが見えて、点と点が線でつながるだけじゃなく面が重なって三角錐の空間が共有される。みたいな。(わかりづらいかな、、)

 

農家さんとシェフと同じ食卓を囲んだとき、私は食べているものが経験してきた時間を感じることができたんです。そこには、あの畑でこの野菜を育てた農家さんの姿があり、それを収穫した私の姿があり、このレストランでそれを調理したシェフの姿があった。なんかその事実にすごい感動しちゃって、今もお腹いっぱいなんです。

 

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枝豆の燻製ペースト
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左)エディブルフラワー 右)枝豆(毛がきらきら!) 

この枝豆ペースト、本当に本当に美味しかった。なんといっても豆の香りと甘さ!これまでの枝豆はなんだったのか。生産されている国立の西野農園さんいわく、枝豆は鮮度がいのち。すぐゆでて食べるのがベストとのこと。

枝豆ペーストに添えられているのは、立川のあみちゃんファームさんの食べられるお花。美しくて食べるのがもったいないくらい。ナデシコキンギョソウなど食べられるお花って結構あるようです。でも注意!観賞用は農薬たくさん使ってるので食べちゃだめですよ!

 

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サラダラティーナのアンチョビソースあえ

こちらは立川でカラフルな西洋野菜を中心に生産されている小山農園さんのサラダラティーナ。めっちゃよくないですかサラダラティーナっていう名前(笑)。イタリア原産のカブの1種だそうです。シェフ特製のアンチョビソースと食べたら、もう最高!普通のカブに比べて水分量が多くて甘みがありました。また食べたい :9 

 

地産地消から地消地産へ

これまで産地直送とか生産者の顔をパッケージにつけるみたいなプロモーションはあったと思うんですが、農家さんと一緒にその方がつくった野菜をレストランで食べるなんて考えたこともありませんでした。農場から食卓までのストーリーを伝えようという発想だったり、自分で育てた野菜を調理して食べるっていうのはあったけど、農家さん・シェフ・私が一緒に食卓をつくりあげるっていう体験は初めてでした。食卓に農場がやってきちゃったっていうのは、そういうことです。

 

そして、地消地産の大切さに気づいたのは、地域で食べるものを地域でつくろうという考え方を農家さんやシェフから感じ取ったから。

それぞれこんなことを言っていました。

 

あるシェフが1本800円の大根を見せてくれて”これ東京でつくってる人いないんだよね”って。じゃあ、これつくったら買ってくれますか?っていうところからカラフル野菜をつくりはじめたんだ。

 

生産者の生きた声は1番の調味料!

 

この人たち、食べる(消費)というところにつくる(生産)をあわせにいってる…!すごい。

これまで、生産⇒消費でしか考えていなかった私は、頭をがつんっと叩かれたような気がしました。

 

まとめ

あるものを活かすのも大事だし、ほしいものをつくるのも大事

ただ、食に関していえば、フードロスが問題になっているように、あるものを活かしきれていない今の時代。やり方を変えていかなければいけないんじゃないかなと思うのです。市場だけが価値を決めるんじゃなくて、地域の農家とシェフと住民が価値を決めるでもいいんじゃないか。そんな風に感じました。

 

今回私が体験したように、農家さんとシェフと私という空間を多くの人が感じられる機会を増やしていきたいものです。

 

Special thanks!

鉄板焼き千珠:https://senju-tachikawa.owst.jp/

◆小山農園:https://koyamafarm.com/

◆西野農園:https://choku-buy.com/farmers/detail/465

◆あみちゃんファーム:https://amino-farm.com/