世界と日本の風と土

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日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

ココログ#3 YouTube出身ミュージシャンが語る死生観「与えられるものこそ与えられたもの」by 藤井風さん

心が動いた言葉をログするココログシリーズ。今回は私が敬愛するミュージシャン藤井風さんの「帰ろう」という楽曲からログします。

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四半世紀の人生で一度も歌手にはまらなかった私が ”この人神なの!?” と、だだはまりどころでなく心のオアシスと化しているお方、藤井風さん。

今年の1月にメジャーデビューしたばかりなのですが、10年ほど前からYouTubeに弾き語りカバー楽曲などをアップしていて、初音ミクを弾いていた少年が洋楽カバーをカメラ目線で歌うようになり、ニューヨークで収録したオリジナル楽曲のMVを公開するに至るまでの過程が覗き見できてしまいます。(孫の成長を見届けるおばあちゃんの気持ちってこんなかな笑)


私もたまたまYouTubeで見つけて、カバー動画を観てから一瞬で虜になりました。

これやばくないですか。ピアノうますぎるし、ベースとパーカッションも2つの手+お尻でやってて、抜群のリズム感に歌唱力、ふざけてみせる余裕があって、サングラスとった方がイケメンって何…
表情を見ていても本当に音楽が好きなんだなあというのが伝わってきますよね。


これだけじゃないんです!!


いろいろ動画サーフィンしていくと本人がしゃべっているものがあるのですが、ギャップに度肝ぬかれますよ。まず、一人称が「わし」の生粋の岡山弁。デビュー曲「何なんw」のように積極的に方言で歌うのも好感度高い。普段の話し方は穏やかで優しくて、弾き語りしてる時のモード(色気すごいやつ)とだいぶ違うのもよい。そして、日本語や英語で自身の楽曲について語る内容から、本当に神の申し子なのでは?と思わされる思想の深さ。

 

もうすべてが私のツボで、藤井風さんという人間に興味津々。

 

5月にリリースされた1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』(常に助け決して傷つけない)には11のオリジナル楽曲が含まれています。どれも藤井風さんの人生哲学が染み込んでいて、新しいようでどこか懐かしさを感じられる曲ばかり。

 

とにかく、彼の歌を聴いていると浄化作用がすごくて、感謝とか愛とか優しさが自分の内側から溢れてくるんです。ええ、相当くさいことを言ってるし、スピリチュアル系と思われてもしょうがないですが、この世界観は表現しがたい崇高な感じで…

 

まずは聴いてみてください。



藤井風 「帰ろう」

 

あなたは夕日に溶けて

わたしは夜明に消えて

もう二度と 交わらないのなら

それが運命だね

 

あなたは灯ともして

わたしは光もとめて

怖くはない 失うものなどない

最初から何も持ってない

 

それじゃ それじゃ またね

少年の瞳は汚れ

5時の鐘は鳴り響けど もう聞こえない

それじゃ それじゃ まるで

全部 終わったみたいだね

大間違い 先は長い 忘れないから

 

ああ 全て忘れて帰ろう

ああ 全て流して帰ろう

あの傷は疼けど

この渇き癒えねど

もうどうでもいいの 吹き飛ばそう

 

さわやかな風と帰ろう

やさしく降る雨と帰ろう

憎みあいの果てに何が生まれるの

わたし、わたしが先に 忘れよう

 

あなたは弱音を吐いて

わたしは未練こぼして

最後くらい 神様でいさせて

だって これじゃ人間だ

 

わたしのいない世界を

上から眺めていても

何一つ 変わらず回るから

少し背中が軽くなった

 

それじゃ それじゃ またね

国道沿い前で別れ

続く町の喧騒 後目に一人行く

ください ください ばっかで

何も あげられなかったね

生きてきた 意味なんか 分からないまま

 

ああ 全て与えて帰ろう

ああ 何も持たずに帰ろう

与えられるものこそ 与えられたもの

ありがとう、って胸をはろう

 

待ってるからさ、もう帰ろう

幸せ絶えぬ場所、帰ろう

去り際の時に 何が持っていけるの

一つ一つ 荷物 手放そう

 

憎み合いの果てに何が生まれるの

わたし、わたしが先に 忘れよう

 

あぁ今日からどう生きてこう

心に響きすぎるうううう。この歌を聴きながら何度涙ちょちょぎれたことか。
ちっぽけなことが本当にどうでもよくなって、今生きていることを大事にしよう、「最初から何も持ってない」のだから与えてもらったものを「ありがとう、って胸をはって」誰かに与えられるようになろうと自然に思える。

 

「与えられるものこそ与えられたもの」

 

こういう気持ちが実は私がイギリスで暮らしているときに感じたGiveの精神とも重なって、素直でオープンで優しい自分のなかにあるピュアな部分を思い出させてくれます。

 

藤井風さんはこの楽曲が生まれた背景として「God gave me this song」まさに歌詞が降りてきたと言っていて「How should I live in my life in order to die happily?」幸せに死ぬためにどう生きるかという死生観について語っています。

 

どんな去り際だったら自分が幸せなのか想像もつかないけれど、確実に言えるのは、くださいばっかの人生よりも、憎しみは忘れて感謝の気持ちで満たされて、誰かに何かを与えられたかもしれないと思える人生の方が幸せだろうなぁということ。

 

そういえば、人が死ぬ前に語る5つの後悔という話があって、オーストラリアの看護師さんが余命3ヶ月の患者さんから聞いた言葉を『The Top Five Regrets of the Dying』という本にまとめています。


1. I wish I'd had the courage to live a life true to myself, not the life others expected of me.
  他人に期待された人生ではなく、自分自身に素直に生きる勇気を持てばよかった

2.I wish I hadn't worked so hard.
  あんなにがむしゃらに働かなければよかった

3.I wish I'd had the courage to express my feelings.
  自分の気持ちを表現する勇気を持てばよかった

4.I wish I had stayed in touch with my friends.
  友達と連絡を取り続けていればよかった

5.I wish that I had let myself be happier.
  自分自身をもっと幸せにしてあげればよかった

(引用:Top five regrets of the dying | Society | The Guardian) 

 

憎み合いが生まれるのも渇きが癒えないのも他人軸で生きているからかもしれません。きっと、与えられたものに感謝して、少しの勇気とやさしさを持って、自分の素直な心のままに日々過ごし表現していくことが幸せな人生につながるのだろうと感じました。

 

あらためて言葉や歌の力はすごいなと思う。 
藤井風さん、ありがとう。