世界と日本の風と土

世界と日本の風と土

日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

27歳の自分へ

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3月9日。27歳になった。おめでとう自分。ここまで伸びのび生きてこられたことに自然と感謝の気持ちが湧いてくる。私のことを気にかけてくれている家族や友だち、これまで関わってくれた人たちにありがとうと伝えたい。


なんだか26歳の1年間は、不思議と “人生ひと段落した感” があって、次のフェーズへと移っていくような、脱皮していくような時を過ごしていた気がする。

 

この1年ですごく環境が変わったとか、大きな仕事を任されるようになったとか、何かを成し遂げられたとか、特にそういうことはないのだけど、自分の内に変化を感じているのはなんでだろう?


思えば16のときも似たような感覚があった。そのときは親からの自立で、「あ、なんか、自分は自分だし、親とは全く違う人間なんだな、それでいいんだ」と自覚できた瞬間があった。


26は自分自身に対して「それでいいんだよ」と言えるようになったような気がする。努力はするけど変に無理はしなくなったというか、自分のなかにある不安や弱さを素直に認めて、赦せるようになった。

 

少し前までの私は、いつも何かに追われていて、不安で、余裕がなくて、焦っていた。何かを執拗に求めてしまって、こうなりたい自分像を無理やり描こうとしたり、これが正義だとか、こうあらねばとか、そういう考えに惑わされて苦しいときも多かった。


この歳になって、ようやくそんな自分とさよならできたんだと思う。凝り固まっているものをほぐしてほぐして、自分の感性に素直に寄り添いながら日々を過ごせるようになってきた。


このあたりの感覚はイギリス留学中に授かったものが大きかったけど、やっと自分のなかに溶け込んだという感じがするな。


いったい私は何がしたいんだろう?じゃなくて、どういうときに自分の心が満たされるのか、豊かだと感じるのか、そんな瞬間を思い返しては、自分自身が大事にしている価値あるもののかけらを集めている。


私が本当に心満たされていると感じるのは、高級レストランでディナーしているときでも、ホテルの最上階から夜景を眺めているときでも、ハイブランドのバッグを身につけているときでもなくて、


大切な人たちと手づくりでご飯をつくって食べたり、農家さんや創り手の想いが込められた食材やお酒をありがたくいただいたり、人智及ばない自然の厳しさと美しさにふれて感動したり、思いがけないご縁が広がって人とのつながりに豊かさを感じられたり、そういう瞬間やプロセスなんだよなあ。


やっぱり、自分の心が動かされるもの、時間、場、人たちの近くに在りたい。その上で自分のできることを考えて行動していけば、それが自分の本当にやりたいことになるんじゃないかな。


「1年後に死ぬとしたら今から何する?」


そんな話を昨日友達としていた。そもそも日本人みんな働きすぎだし、自分のやりたいことに時間使えないのおかしくない?みたいな話の延長で。


私は幸いにして自分のやりたいことしかやってないから、今の暮らしもすごく良いと感じているし、最近は根津のシェアハウスに引っ越して楽しくてしょうがない毎日を過ごしているんだけど、


死ぬまで1年しかなかったら…


やっぱり、自分が きゅんっ とする風景や人たちがいる地域に移住して、今まで温めてきた夢を実現させたいなと思う。その夢はまだちょっと言葉にしきれないんだけど「地域の縁側」みたいなイメージはあるんだ。地域の人たちがふらっと立ち寄ってくれてお茶飲みながらおしゃべりしたり、学校帰りの子どもたちが遊びに来てくれて時に人生相談をしあったり、地元の人も旅人もその場にいる人たちで一緒にご飯つくって食べて飲んだり、そこで出会った人たちが意気投合して何か新しいことをはじめちゃったり。そんなウチとソトのあいだを生み出してみたい。


あとは、これまでお世話になってきた地域で感じたことや、そこに住む人びとの暮らしから学ばせてもらったことを文字にして遺したい。これなら今すぐにでもできる。やろう。


とにかく、私が大切にしている価値観、美しいと思う世界を遺したいんだ。


遺す。価値あると思うものを遺すこと。それが研究、実践問わず私がやっていることなんだなと気づいた。


「三十にして立つ」あと3年か。その移行期間に入ったと感じる。このタイミングで根津にいることにも意味があるはずで、いろんな人たちとの出会いを通じて、インスピレーションが泉のように湧いてきているし、おのずと利他の心というのか、日常のなかで誰かを思う瞬間が増えてきている。自分でも驚いてしまうくらい。嬉しい。本当に良い時を過ごしているな。


生きてる生きてる。
27歳これからも生きる。