世界と日本の風と土

世界と日本の風と土

日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

シューマッハ・カレッジにお試し入学!サスティナブルを五感で学ぶ大学院へ行ってみた(後編)

こんにちは!Saeです。
前編からだいぶ時が経ってしまいましたが、みなさんお元気でしょうか。後編待ってたよーという人、いるかな。いたら嬉しいな。きっと誰かに届いていると信じて、今回も書いていきます!


※私がシューマッハカレッジへ行ったのは2019年なので、コロナの影響等によってプログラム内容が変わっているかもしれません。また、おぼろげな記憶を絞り出して書いていること、お許しくださいm(__)m


前編はこちらから↓

windtosoil.hatenablog.com

 

 

無垢な自分と再会できた5日間 (Day3- Day4)

Day3 想像し創造する

~プログラム~
朝:Session in the Schumacher garden
昼:Experiential Session - Clay
夜:Free time

~オーガニック農園~

シューマッハカレッジにはオーガニック農園が隣接されていて、自分たちで地を耕し、種をまき、作物の成長を見守り、その命をいただく、ということを学校全体で行っています。先生も学生もみんなで共同生活をしているからこそ、農園がコモンズとして大切に管理されている、という感じです。

 

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畑の雰囲気が日本とまるで違いますよね。有機農法だからかもしれないけど、野原と林と畑の境が曖昧で、その土地を活かした栽培がされているようでした。

フォレストガーデン

フォレストガーデン
ducks
chicken
動物たちにも癒されます


ショートコースに参加している私たちは、えんどう豆の収穫とつるの撤去作業をお手伝いしました。農作業をしていると、知らぬ間にコミュニケーションが生まれて、みんなと仲良くなれるから楽しい。

Harvest
半農半X
半農半Xの軍手を発見!


さらに詳しくは、オーガニック農園の紹介動画があったので、気になる方は見てみてください。

 

~粘土あそび~

お次はクリエイティブな時間。みんなで泥だんごづくりをしました。泥だんごっていうとちょっと語弊があるか(笑) 一応、アートの実習のようなもので、Clay(粘土)をテーマに学びました。学んだといっても、あそんでただけだけどね。シューマッハカレッジで大事にされている理念HEAD・HEART・HANDをフルに使って土を感じます。

そういえば、子どもの頃って泥だんごつくるのすごく好きだったんだけど、なんで子どもは泥あそび好きなんだろう。

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好きなだけあそんで、最後は森に還しました。

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ビートルズな夜~

たくさん体を動かした日の夜はフリータイム。ピアノが上手な子の演奏を聞きながら寝っ転がったり、Spotifyをスピーカーに繋いでひたすら踊ったり、楽器を弾きながら歌ったりしていました。歌は、ギターを弾いてくれたのがイギリス人だったってのもあるけど、ビートルズのLet it beとHey Judeだった。地球上の別々の地域から集まった異なるバックグラウンドを持つみんなが即興で同じ歌を歌ってるって、本当に感動的で幸せな時間だったなあ。

 

 

Day4 内なる自分を解放する

~プログラム~
朝:Teaching Sesion
昼:Earth Dance
夜:Party
 

~自分のなかの子ども~

午前中はTeaching Sessionだったけど、何かをTeachingされた記憶はまったくないんです。共同生活のようでいて、一人の時間も大事にさせてもらえるのがシューマッハカレッジ流。この時間は、自分自身と対話しておいでと送り出してもらい、農園でぼーっとしていました。

童心に帰ったように、桑の実みたいなやつ潰して遊んだり、押し花つくったり。普段なら人目があって恥ずかしくて、こんなこと絶対できないけどね、ここにはアヒルさんの目しかないからさ。自分のなかの子どもが喜んでおりました。

 

ducks

 

~アフリカンダンス~

午後はひたすら踊るしかしてない(笑) アフリカの伝統音楽と歌の生演奏にのせて、体を動かしました。踊るのが苦手なメンバーがいたんだけど、一生懸命に踊っていて、もう恥とか見栄とか全部捨て去って、みんなで踊れたのがよかったよね、って終わった後に話した記憶があります。こういう一体感を味わえたのも嬉しかったな。

 

African dance

 

~ラストナイト~

いよいよシューマッハカレッジでの最後の夜になってしまいました。なんだか名残惜しくて、夜ご飯を食べた後もコモンルームでおしゃべりしていたな。この日は、ショートコースの参加者だけじゃなく、正規で大学院に通っている学生や卒業後にスタッフとして働いている人もいて、たくさん歌ったし笑いました。

 

最後の晩餐


やさしくなれるというか、人としての真心が養われていくような時が流れていたなぁとしみじみ。

relaxing time

 

Day5 たくさんのギフトをありがとう

~プログラム~
朝:Facilitated Session - Bringing it all together
昼:Closing circle

~ことばの力~

最後のセッションは、言葉が印象に残っています。Bring it all together(すべてをつなぐ)というテーマですが、よくありがちな、5日間を振り返ってみましょう~、という感想シェアの時間ではありません。いつものように車座になって、一人ひとり想うままに詩を読んでいきました。

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絵を見せてくれた人も


イタリアから来てくれた70代くらいのおばあさんがいたのですが、その方が詩を呼んでくれたときの語り口がものすごくて。表現しきれないのですが、人生が刻まれているような、何かを訴えるような力強さと儚さがあったんです。時に声を震わせながら読んでくれて、その姿に思わず心打たれて涙がこぼれてしまいました。ほかにも涙を浮かべている人がたくさんいて、あの瞬間が今でも忘れられません。イタリア語なので内容はわからないんです。だけど、人間として心揺さぶられる何かがありました。


言葉が通じなくても心は通じるとはよく言いますが、本当に言葉には力がある。語りには人生が滲むと実感した経験でした。

 

シューマッハ・カレッジの食卓

さて、5日間のプログラムは終わってしまいましたが、何と言ってもシューマッハカレッジに欠かせないのが食!めっちゃくちゃ美味しい!!!!基本的に、オーガニック農園で育てた野菜と地域の食材(ヤギのミルクなど)を使ったベジタリアン料理を食べます。ぜひシューマッハカレッジの美しい食卓を見ていってください^^

Pumpkins
Pumpkins
農園でとれたカボチャたち

Cooking

料理もみんなで
メニュー
配膳
好きなものを好きなだけ

Hall

いただきまーす

Lunch

パンとスープはイギリス料理の定番

Lunch

とにかく野菜が美味しい
Vegan food
Cake
彩も美しかった

 

まとめ

シューマッハカレッジからニューカッスルへ向かう道中、日本に帰りたくなさすぎて一人泣いてしまった時がありました。お手本やメインストリームが根強い日本社会に閉塞感を感じてしまって…。ちょうどイギリス留学が半分を折り返したくらいの時期だったし、シューマッハカレッジでのいろんな豊かな感情がしぼんで行ってしまうような気がして苦しかったのだと思います。

 

だけど、日本に帰国しても、あの時の感覚、心の動き、五感の揺れ、目にした風景は色褪せずに自分のなかに生き続けています。

 

なぜ2年も経ってブログ書こうと思ったのかというと、サーキュラーエコノミーやパーマカルチャーを学ぶ同世代に多く出会うなかで、「シューマッハカレッジに実際に行った人に初めて出会いました!」「いろいろ教えてほしい~」と、興味をもって声をかけてくれる人たちがいたからです。実際に現地に滞在した私の経験から伝えられることもあるかもしれないなと思ったし、あらためて振り返ることで学び直しをしたいなと思いました。

 

最後に、シューマッハカレッジの創設者であるサティシュ・クマール(Satish Kumar)さんの言葉を。

 

人間性とは自然に対する謙遜である。
自分自身になることによって私たちは地球に奉仕する。
他の誰かの真似をせず本来のあなた自身になってください。

 

 

■参考情報
▶︎シューマッハカレッジHP:https://www.schumachercollege.org.uk/

▶︎滞在期間:2019年10月7日〜11日

▶︎総費用:£651.01 ≒ 9万円
 コース受講料(食費・宿泊費込み):£570.00

 交通費:

 夜行バス Newcastle → London:£10.75

 鉄道 London Paddington → Totnes:£28.40 

 鉄道 Exeter → London:£34.15

 夜行バス London → Newcastle:£7.71

  ※鉄道は16-25 Railcard使用後の値段