世界と日本の風と土

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日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

アート×サスティナビリティ 「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」 一番身近な自然は自分だった

アートってよくわからないし、わからなくていいんだろうな ― 美術館に行くときの私のテンションはだいたいこんなもんです。今回のオラファー・エリアソン展も何かしら感じられたらいいなぁぐらいの気持ちだったんですが……すんごかった!!!!アートとの向き合い方が180°変わってしまいました。

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オラファー・エリアソンさんについて

実は今回の個展に行くまで、お名前すら聞いたことがありませんでした。どうやら自然現象やサスティナビリティに関する作品を多く生み出しているアーティストらしい。サスティナブルな世界観をアートにするってすごく素敵だし、アートの可能性にわくわくします。以下、ご本人のWebサイトからまとめてみました。

オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)
1967年コペンハーゲン生まれ。幼少期をデンマークアイスランドで過ごす。現在は、ベルリンにスタジオを持ち、工芸職人、建築家、研究者、料理人、美術史家などのチームで活動している。作品のジャンルは、彫刻、ペインティング、写真、映像、インスタレーションにおよび、美術館やギャラリーのみならず、パブリックスペースの利用、芸術教育、政策立案などにも従事している。近年は、Sustainable developmentの推進に力を入れており、2012年にはソーシャルビジネスLittle Sunを立ち上げ、太陽光発電ランプを制作・販売するなど、すべての人に電気へのアクセスを拡大する必要性をうったえている。


とても幅広くご活躍されているようです。ここまでくるとアーティストといってよいのかわかりませんね。オラファーさんがなぜサスティナビリティをテーマにされているのかというのは、もっと調べないとわからないですが、きっと北極圏に近い国々で育つなかで、地球の変化を敏感に感じられてきたのかなと想像しました。

 

印象に残った作品と体験

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左)Your passing glacial morphology (past) 中央)Methane matter 右)Your passing glacial morphology (future)  2019

オラファー展に入るとまず正面に3つの水彩画。パステルカラーできれい。説明をみると、グリーンランドの氷河の氷を用いて制作されたそうで、「人間の意志とは無関係に起こる自然現象を共同制作の相手とみなすエアリソンの態度」が反映されているそうです。説明がなかったら素通りしてしまうところでした、、どうやって制作されたのか想像してみることも大事ですね。

 

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The exploration of the centre of the Sun  2017

実は入口から見えてずっと気になっていた光たち。引き寄せられるように進んでいくと、一面虹色の世界!不思議な多面体がゆっくり回りながら光をはなっています。ずっと見ていられるほど美しかった。「本作品の光と動きはソーラーエネルギーが生み出しています」だそうで、こういうところにもサスティナビリティを取り入れているんだなと感心。
なんで虹色にしたのだろうって考えてみても真意はわからないけれど、私たち人間は光の波長で色を知覚しているから、太陽がなかったらこのカラフルな世界はないんだよってことを教えてもらったような気がしました。

 

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Your happening, has happened, will happen  2020

これは楽しかった!!10個ほどのライトが壁に向けられているだけのシンプルな展示なのに、残像みたいなのがグラデーションで重なってて楽しい。「あなたが動いているときにだけ物事が見える」ほう。壁に近づいたり、遠ざかったり、手を動かしてみたり。自分の影が生きてるみたい。今、過去、未来、全部重なっているんだな。

 

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Sustainability research lab

ここにはいろんなものがごちゃごちゃと。穴をのぞいてみるってなんかそそられる(写真左奥の白い筒)。どんな世界が中に広がっているんだろうって。のぞいてみるっていう体験が楽しいんだな、オラファーさんはそういうのをよく理解しているんだろう。あと気になったのは、野菜の皮でつくった染料(写真右奥の壁)。Red onionやRed cabbageの染料で描いた水彩画は全然Redじゃなかった。不思議。

 

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Who is afraid 2004

カラフルな円が壁を行ったり来たり。天井から吊るされている3つのガラスの円盤が光に照らされている空間。ある一定の時だけ、円が重なって光の三原色のようなものが現れます。こんな風に美術の授業とか受けられたら楽しかったのにと思ったり。光や色っておもしろいんだなって感じました。

 

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Beauty 1993

光と水。暗闇の中で霧状の水に光があてられていて、見る人の立ち位置によって虹の色や形が変わるしくみ。「光があなたの目に入らないかぎり虹はどこにもない」そっか。虹って私たちの目を通してはじめて虹なんだ。自然を美しいと思えるだけの知覚や感性って、人間にもともと備わってるのかもしれない。「体験こそがこの作品の本質にほかなりません」なるほど。

 

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Sometimes the river is the bridge 2020

この展覧会のために制作されたという新作。水のさざなみが光に照らされると、形になって頭上のスクリーンに現れます。複雑な動きをみているだけで癒される。「絶えず変化しつつ徐々に広がるさざなみのような流動する状況をエリアソンは限界を超えるための欠かせない要素ととらえています」と説明にあるんだけど、流動すること(川)が何かを超えていく、向こう岸に行くために必要(橋)ってことなのかな。その何かとはなんだろう?

 

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The glacier melt series 1999/2019 2019

溶けてる。これはアートというよりも明らかな事実。かなり直接的なメッセージだ。たしかに、北極の氷が解けているって小さい頃から聞いていたし、ホッキョクグマが小さい氷の上に乗っている映像はみたことがあるけど、こうやって20年間の変化をわかりやすく見せてもらったことはなかったと思う。写真でシンプルに伝えるってすごく効果的なんだな。シンプルに直接的に表現しないといけないほど緊急性があるんだと感じた。

 

一番身近な自然は自分

こうして写真をみながら振り返ってみても、やっぱりあの空間にいないと感じられない何かがあります。自分があの中にいて初めて美しいと感じられる世界。”アートをみている” というよりも ”アートに取り込まれている” という感覚がありました。作品との相互作用が感じられたというか。オラファーさん、すごいな。自然現象を切り取ってはいるんだけど、人間を置いてけぼりにしない。


そもそも人はみんな made in Earth。自然の一部だし、自然そのものなんだな。だから、環境問題とか自然保護とかいうけれど、自分たちもそれに含まれていることを忘れちゃいけない。自分という一番身近な自然を大事にできない人が地球を大事にすることなんてできないと思った。

 

まとめ

これまで私にとってアートは、見る対象でしかなかったのですが、今回のオラファー展では ”体験するアート” という新しい感覚を得ることができました。光も水も身の回りにいくらでもあるけれど、見えていなかった世界があったんだなと。いちばん大切なことは目に見えないって星の王子さまを思い出しました。

ちなみに、目に見えない部分として、このオラファー展自体がカーボンフットプリントを極力抑えた作品の輸送、展示方法を目指したものになっているそうです。作品だけでなく展覧会のあり方そのものがサスティナビリティや気候危機へのアクションにつながっている。アート作品がどのように制作され、届けられ、共有されるのか、一連のデザインがオラファー・エリアソンさんの表現なんだと気づいたときに、アートというものが何なのか少しだけわかったような気がしました。

 

展覧会基本情報

展覧会名オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
会場東京都現代美術館 企画展示室 地下2F(清澄白河
会期:2020年6月9日(火)~ 9月27日(日)
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
所要時間:1.5時間
観覧料:一般は1400円/ 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,000円/ 中高生 500円/ 小学生以下無料
公式HPhttps://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/olafur-eliasson/


■参考
開催概要(英語): https://www.mot-art-museum.jp/en/others/docs/pr_Olafur_Eliasson_EN_0109.pdf
Olafur EliassonのWebサイト(英語): https://olafureliasson.net/sometimesthebridge/

 

【元住人おすすめ】英国ニューカッスルの魅力(飲食編)

こんにちは!あっついですねーー1年ぶりの日本の湿気にやられていますSaeです。イギリスの日照時間が長くてさわやかな夏が恋しい。


さて、以前のブログで私が留学していたイングランド北東部にある都市ニューカッスルのおすすめスポットを紹介しました。

windtosoil.hatenablog.com

 
今回はその続編としておすすめの飲食店をまとめます!
物価が高いイギリス。せっかくお金を出して外食するなら失敗したくないですよね。私も基本的に自炊で生き延びていましたが、友達とご飯に行ったり、個人でカフェ巡りしたりと、ちょこちょこと開拓していました。その中から気に入ったお店BEST10を紹介します!


以前の記事で載せたものと同じ地図です。※青丸は観光、赤丸は飲食のおすすめ


新型コロナウイルスの影響で現在もイギリスはロックダウン中です。各店舗の再開についてはそれぞれのサイトをご確認ください。(2020年6月現在)
 

 

ニューカッスルのおすすめカフェ・レストラン・パブ10選

➀The Teahouse (Quilliam Brothers)

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アールグレイとシナモンレーズンスコーン


ニューカッスルでお茶するならぜっっったいここに行ってほしい!!!!私が愛してやまないティーハウスです!ここのEarl Grey teaは世界一おいしい(私調べ)。ベルガモットの香りがとても豊かで、一口飲むごとにしあわせを感じられるんです♡ 冷めても美味しいから、ゆっくり大事に味わえます。ああ、ほんとにここの紅茶を飲むためだけにニューカッスル帰りたい。
まず驚くのがTeaメニューの豊富さ。10ページ以上ある分厚いメニューが出てきます(笑) Black TeaからFlavoured Tea, Herbal Tea, Fruit Tea, Rooibos TeaやGreen Teaもありました。私は色いろ試しましたが、結局いつもEarl Greyに戻ってしまうんですよね~。ランチやケーキも手づくり感があってどれも美味しいのでぜひ。

 

そして、もう1点イチオシなポイントとしては映画が観れるところ! 地下にこじんまりとしたシアタールームがあって、毎週火曜日と木曜日の夜20時から上映会をしているんです。上映スケジュールはFacebookページからチェックできます☞ https://www.facebook.com/NCLteahouse/ 

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参考

The Teahouse : https://www.newcastleteahouse.com/

Address : 1 Eldon Place, Claremont Buildings, Newcastle upon Tyne, NE1 7RD

Opening Hours : Mon-Fri 10am-11pm, Sat 9am-11pm, Sun 10am-4pm

 

➁Olive and  Bean

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アボカドスムージー


グレインジャーマーケットからTesco側に出てすぐ右手にOlive and Beanはあります。ここは特にスムージーがおすすめです!私はカウンターから街ゆく人を眺めなながら過ごすのが好きでした。友達とゆったり過ごしたい時は2階の席がぴったり。一度ケーキを食べたことがあるのですが、とっても大きかったので、小腹を満たす程度ならシェアがちょうど良いと思います!

 

参考

Olive and Bean : https://www.oliveandbean.co.uk/

Address : 17/19 Clayton Street, Newcastle Upon Tyne, NE1 5PN

Opening Hours : Mon-Sat 9am-3pm 

 

➂Cake Stories Coffee House & Cakery

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オレオケーキ 食器もかわいい


甘党&かわいいもの好きにはたまらないカフェがこちらです!中心地から少し離れたJesmondという地区にあります。こじんまりとした店内にはテラス席も含めていつも人がいっぱい。Take awayもしているので、ひっきりなしに人が行き来していました。ケーキの種類はなんと100種類以上!日によって選べる種類が違うのも楽しいですね。グルテンフリー、ヴィーガン、アレルギーにも対応しています◎かわいらしい店内でティータイムを楽しんでみてください!

 

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参考

Cake Stories Coffee House & Cakery : https://www.cakestoriesjesmond.com/

Address : 12 Brentwood Avenue, Jesmond, Newcastle, NE2 3DH

Opening Hours : Mon-Sun 10am-5pm

 

➃Quay Ingredient

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王道のEnglish breakfast


イギリスといえばイングリッシュブレックファスト!ベーコン、目玉焼き、トースト、ハッシュブラウン、ソーセージ、マッシュルーム、グリルトマト、ブラックプディング、そして写真には載っていないですがお豆の煮込んだもの。いろんな種類を少しずつ食べられるのが嬉しい。
これら全部がワンプレートにのっているものをFull Breakfastといいます。ブラックプディングは日本ではあまり馴染みがないですが、豚の血にハーブなどを混ぜ合わせて腸詰めにしたもので、レバーみたいな食感がしました。私は嫌いじゃなかったけど、結構苦手な人も多そうです。ベーコンやソーセージは、日本のものと味も食感もだいぶ違うので、ぜひ試してみてください!個人的には日本のパリッジュワなソーセージの方が好き。

ちなみに、イギリス人はイングリッシュブレックファストをあまり食べないらしいです(笑) ホテルの朝ごはんで食べるくらいだよ~と言っていました。

 

参考

Quay Ingredient : http://quayingredient.co.uk/

Address : No 4 Queen Street, Quayside, Newcastle upon Tyne, NE1 3UG

Opening Hours : Everyday 8am-5pm

 

➄Thai House Cafe Newcastle

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タイのお茶はオレンジ色


イギリス滞在中、外食で困ったらタイ料理かインド料理がはずれないよ。私がイギリスへ行く人に授ける助言です(笑) 海外からの移住者も多いイギリスでは、多国籍料理を楽しむことができます。どこもだいたいその国出身の人が経営やシェフをやっているので、味に間違いはないです!(日本食をのぞく)
特に、タイ料理はおすすめ。ここThai House Cafeは、シェフもスタッフも全員タイ人で本格派で、タイ人の友だちも認めるニューカッスルNo.1のタイ料理店です。何食べてもおいしかったので、日本人の口にも合うと思います◎

 

参考

Thai House Cafe Newcastle : https://www.facebook.com/ThaiHouseCafe/

Address : 93 Clayton Street, Newcastle upon Tyne, NE1 5PZ

Opening Hours: Mon 12pm-9.30pm, Wed-Sat 12pm-9.30pm, Sun 12pm-9pm

 

➅Zaap Thai Street Food Newcastle

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タピオカミルクティーと♡


もうひとつタイ料理でおすすめしたいのがZaap!ここもシェフ、スタッフ全員タイの方なので、もちろん美味しいのですが、なんといってもこの内装が素敵すぎる!!!!店内にトゥクトゥクがあって、そのなかで食べたりすることもできるんですよ。食べておいしい目で見て楽しい空間なので、おすすめです。タイ茶や抹茶などのタピオカミルクティーは持ち帰りもできるので、ぜひ立ち寄ってみてください!

 

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参考

Zaap Thai Street Food Newcastle : https://zaapthai.co.uk/locations/newcastle/

Address : 117 Newgate Street, Newcastle Upon Tyne, NE1 5RZ

Opening Hours : Mon-Sat 12pm-10pm, Sun 12pm-9pm

 

➆Dabbawal High Bridge

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ナンとカレーは裏切らない


イギリスでもカレーはとっても人気で、チキンティッカマサラというイギリス生まれのカレーもあるぐらい。このお店は、街の中心部Monument駅の近くと、少し離れたWest Jesmond駅の方にあります。カレーとナンの種類もさることながら、サイドメニューがたくさんあるので、いろいろ頼んでシェアするのがおすすめ!

 

参考

Dabbawal High Bridge : https://dabbawal.com/

Address : 69-75 High Bridge, Newcastle Upon Tyne, NE1 6BX

Opening Hours : Mon-Thu 12pm –2.30pm/5-10:30pm, Fri 12pm–11pm, Sat 12pm-11pm, Sun 1pm–10pm

 

➇The Goose Stonehouse

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バイキング形式で楽しめるCarvery


パブ飯おいしいんですよ!イギリス料理がまずいっていうのはウソですね(笑) そしてコスパも良い!写真はCarveryっていうバイキングのメニューを頼んだときのものなんですが、調子のりすぎてすごいボリューミーになってしまいました、、ローストしたお肉や野菜にフライドポテト、マッシュピー(緑のペースト)、ヨークシャープディングにグレイビーソースをかけて完成。これで1000円もしなかったと思う。お肉以外はおかわり自由です◎

 

参考

The Goose Stonehouse : https://www.stonehouserestaurants.co.uk/

Address : Unit 1 Eldon Gardens, Percy Street, Newcastle Upon Tyne, NE1 7RA

Opening Hours : Mon-Thu 10am-11pm, Fri-Sat 9am-Midnight, Sun 9am-9pm

 

➈The Botanist Newcastle

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バーテンの手さばきにも注目!


おしゃれパブならダントツでここ!ドーム型の高い天井に、アーティストの生演奏、おいしいカクテル片手にゆったりできます。2階にはテラス席もあるので、街を眺めながら飲むのもおすすめです。クリスマスが近づくと天井のイルミネーションがすごくきれいで、外からも中からも楽しめます!

 

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参考

The Botanist Newcastle : https://thebotanist.uk.com/ 

Address : Monument Mall, Newcastle Upon Tyne, NE1 7AL

Opening Hours : Mon-Thu 12pm-10pm, Fri 12pm-12am, Sat 12pm-1am, Sun 12pm-10pm

 

➉Wylam Brewery

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博物館のような佇まい


なんだこのでっかい建物は!!と思ってよくみると、みんな片手にビールをもっています。そう、マイクロブリュワリーなんです。地図上でみるとTown Moorという大きな緑地の中にぽつんとあります。調べてみると、1929年のアートエキシビジョンで建てられたPalace(宮殿⁉⁉)なんだとか。ブリュワリー自体は2000年にできたようです。晴れた日に生のクラフトビール飲みながら芝生でまったり!とっても贅沢な時間ですよ~


Town Moorの奥の方まで歩いていくと、なんとが…!!!!!
こんな街中で牛を放牧してるなんてびっくりしました。普通に人や自転車が通っていく…なんともいえない光景。やっぱ芝生にはあんまり座らない方がいいかもしれません(笑)

 

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参考

Wylam Brewery : https://www.wylambrewery.co.uk/

Address : Palace of Arts, Exhibition Park, Newcastle Upon Tyne, NE2 4PZ

Opening Hours : Fri 5pm-11pm, Sat 12pm-11pm, Sun 12pm-9pm 

 

まとめ

今回はニューカッスルのグルメBest10を紹介しました。このほかにもたっくさんお店があります。さすが200以上のパブやクラブがあるといわれてるパーティーティー。街中の商業施設内にもレストランはありますが、そういうところはチェーン店なので、ニューカッスルに訪れた際はぜひ地元の人でにぎわってるお店に入ってみてください!

 

”コミュニティコーディネーター”とは? 「余白を残した提案でボトムアップから接続せよ」 by FoundingBase

心が動いた言葉をログするココログvol.2。今回は”コミュニティコーディネーター”という言葉に惹かれて即申し込んだこちらのイベントからログします。

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Facebookイベントページより引用

消滅可能性都市だの地方創生だの騒がれはじめたのが5年ほど前。当時大学2年生だった私は、中山間地域フォーラムのシンポジウムで専門家の先生たちや地域で実践される方々が ”名指し” で消滅可能性が宣告されたことについて議論している様子を見ていました。そこで危惧されていたのが「あきらめ感」の高まり。地域をどうにかしたいと思って活動してきた人たちが、”消滅”というレッテルを貼られ、いわば余命を宣告されたことで、たちまち意欲を失ってしまうのではないかと心配されていました。


あれから良かったか悪かったか、行政からの予算もつくしといういことで、大手コンサルはじめ色んな人たちや組織が地方に入り乱れるようになったと思います。地域づくりや地方創生関連のスタートアップ企業もかなり増えた印象です。


「あきらめ感」に関しては、現場の人たちからしたら、あきらめるもなにも目の前に困っている人たちがいるんだから「やらんにゃしょうがない」というのが実情な気もします。(私が調査させていただいた地域の方々の反応はそんな感じだった。)それに、消滅可能性の指標自体が若い女性の人口減少率を目安にしているので、人口維持や増加にこだわらなければ、あまり重く受け止める必要もないかもしれません。


そもそも日本全体で人口が減ってきているのに、人口を取りあったってしょうがないじゃないかという話は、地方創生うんぬんの前から言われていたことでした。こうした流れのなかで注目されたのが「関係人口」という考え方だったと思います。いきなり移住・定住を目指すんじゃなくて、ゆるやかに地域とつながる。心地よい距離感で地域と関われる「関わりしろ」を増やそうということで、観光にとどまらない交流や都会にいても地域と関われる機会の創出などが模索されてきました。


えーそろそろ本題に入ります(笑)
こうして\地方との関係性を増やしてこ/と、各地でいろんな事業が立ち上がって来たのですが、はて、それって誰のための何だったんだっけ?という疑問がわいてきまして。結局は地域側が負担を強いられる形での交流だったり、現場の問題は現場で解決するしかなかったり、関係人口うぇーいっていって自己実現のために地方を消費するような輩が出てきたりしてはいないだろうか…。ええ、うぇい系を責めているわけじゃないですよ。それだけで瞬間的な活気は高まるわけですし、それをハンドリングできない地域も地域なので。でも、地方創生や関係人口のブーム化によって、関係の質を問う間もなくきちゃってる地域も多いかもなあと。


だから、地域内外の調整役が絶対に必要だし重要だと思う!!
そんでもって昨今の地域づくり界隈の動向をみていると、コミュニティコーディネーターやらコミュニティデザイナー、コミュニティマネージャー、コミュニティディレクター、コミュニティビルダーなどなど、コミュニティコミュニティうるせえ。(←口悪い)
この横文字星人たちは一体何者なんだとずーーーーーーーと思っていたんです。地域づくりの勉強をしていると「コミュニティ」なんてたやすく口にしたくないややこしい概念なんですよ。社会学の沼だよ沼!まったくもう。


とはいえ、大事なのは肩書ではなく中身。話を聞かずしてはわからんぞということで、今回のイベントに参加しました。コミュニティコーディネーターとは何なのか?どんな役割を担っているのか?など、お話のなかで見えてきたことをまとめていきます。

 

~概要~

日時:2020年7月6日(月)19:30~21:40

主催:(株)FoundingBase

スピーカー添田瑠璃さん、大脇政人さん(新潟県三条市)、坂和貴之さん(島根県津和野町)

 

FoundingBaseってどんな会社?

FoundingBaseー直訳したら土台をつくる??どういうことなんでしょう?会社概要を調べてみると、HPの代わりにnoteを発見!(noteってこんな仕様にもできるんだ)

「自由」をUpdateする というMISSIONのもと、地方を軸に事業展開している地方共創ベンチャー企業です。


ほう。もう少し詳しく見てみると「私たちの考える「自由」とは、自らの意志で未来を創っていくこと。」とあります。じゃあ「自由」と地方のまちづくりって、どうつながっているんだろう?とお話をきいていくと、どうやら地方共創というスタンスを大事にしているみたい。

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FoundingBaseのnoteから引用


ここで一番 ”おっ” となったのが、地方共創の主体者が「私たち」になっていて「自分たちが地域に入ってビジネスをつくっていく」と言い切っていたところ。潔い。そして、これまでの地方創生に対して「結局情報を流しているだけではないか。情報発信だけで地方は変わるのか?」という明確な問題意識をもっていること。これにも好感がもてました。だって、地方創生とかいって地域の外部から入ってる人たちって、”地域のため”と言いつつも一時的なプロジェクト期間だけしか関わらなかったり、あくまでも地域のお手伝いという1歩2歩ひいた立場を取ることが多い気がするから。社員が移住して事業をつくろうというところに本気度を感じます。なんだか地域おこし協力隊みたいだな。(あれ、だったら協力隊になった方が生活安定しない?と思ってしまったがいったん置いておく。)
魅力あるContentsつまり「その地ならではの感動体験の提供」によってヒトを呼び、関係人口を増やし、地域経済を活性化するという戦略のようです。


会社概要の説明のあとは、実際に現場に入られている大脇さんと坂和さんからそれぞれの地域についてお話していただきました。  

印象に残った言葉

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坂和さんが津和野町の紹介であげていた町長の言葉です。地方の状況が伝わります。冒頭であげた「やらんにゃしょうがない」という言葉とも重なります。何とかしなきゃという想いはあるけれど、何をしたらいいかはわからない。


ここでFoundingBaseのような人たちの出番です。大脇さんは「「まち」は住民たちがイメージしたものにしかならない。地域の可能性・未来を提示し住民の認識をアップデートする必要がある。」とおっしゃっていました。シャッター商店街もある意味では住民たちがイメージしたものだと。まあ、そこまで言うのはちょっと失礼なんじゃないかなと私は思ったけど(誰も望んでシャッター商店街にしたわけではないだろうから)、でも、手遅れになる前にアイデアを出して実行していくことは大事だと思う。アイデア出すのも実行するのも地元の人だけでは限界があるのも事実だから、よそ者の力が必要。


ということで、坂和さんのお話がとっても参考になりました。

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坂和さんは地域のキーパーソン(この人とはつながっておきたいと思う人)に会いに行くとき、相手の話を聞きたくても必ず自分からアイデアをもっていくようにしているそうです。そうすると相手からの反応も得られるし、宿題がもらえる。それを口実にまた会って話すことができる。そうやって常に ”この人と一緒に何ができるか” を考えて関係性を紡いでいくそうです。なるほどー。さらに、重要なことはアイデアをがちがちにしないこと。あえて余白を残しておくことで、地域なりの答えを導き出して、ボトムアップで行政からの評価やお金とくっつけるというやり方です。補助金ありきで活動をスタートすると、”やらされ感”でやる気をなくしてしまうけど、はじまりが自分たちのアイデアであれば、行政からお金がもらえることはモチベーションにつながると。その実践として、つわのスープという住民によるプレゼン大会も開催されているそうで、とても興味がわきました!やっぱり、住民が住民を応援できる仕組みって大事だよね。

質問タイム

私からは3つ質問を投げてみました。

Q1. まちづくりで失敗したなーと思った経験、見聞きした事例はありますか?

まちづくりや地方創生の成功事例みたいなのって毎年のように表彰されているし、国も実績としてほしがるから見つけやすいけど、失敗ってあるのかなと気になって聞いてみました。もっといえば、現場の ”コミュニティコーディネーター” にとって失敗ってなんなんだろうっていうのが知りたくて。でも、ほかの質問と一緒にされてしまったので、まちづくりの苦労や失敗という話題に…

回答としては、「豆さを怠ると急にわからなくなる。」「スピード感の調整が難しい。」の2点。豆さって、報告・連絡・相談的な話なのか?具体的にはよくわからなかった。スピード感っていうのは、ビジネスという観点で事業をつくらないといけないという意味でのスピードらしい。

 

Q2. まちづくりの目的 こうなったらいいなという理想の状態はありますか?

「地方共創」というのがビジョンとして掲げられていたけれど、現場の肌感覚として、どうなるのが理想なのかというのが知りたかった。魅力的なContentsでヒトを呼んで、地域経済が活性化するのが真にまちづくりの目的なのか?それは手段じゃないのか?だったら、まちづくりの目的は何なのか?

回答としては、「社会的弱者(子ども、障がい者)が参画できるまちづくり」「行政の財政が適正にまわるかが大事」の2点。んーしっくりこなかった。その上で、どうなるのが良いと思っているの?という疑問が残りました。

 

Q3. 事業の撤退、地域からの撤退の判断基準はありますか?

あえてぶっこみました。個人的にこれが一番興味があった。自分たちが主体者として地域に入るっていうことの意味がどこまでを示しているのか、どう考えているのかなあと。でも司会の添田さんに拾ってもらえなかった…。結構おもしろい質問だったんだけどなあ、残念。。

 

まとめ

結局、コミュニティコーディネーターってなんなの?ということについては、はっきりとした答えは得られませんでした。でも、なんとなく働き方のイメージは湧いたかな。FoundingBaseは、わりとどっしり地域側にベースをおくアプローチだった。地域づくりとかまちづくりって、どうしてもボランタリーな面が強いし、本業や普段の暮らしの片手間に関わるものという位置づけが根強いけれど、そこを専業としてできる人がいることはすごく重要だろうなと思いました。

自分の研究分野に近い内容だったから、いろいろと偉そうに書いてしまったけれど、全部自分に跳ね返ってきています。研究と実践は違うし学問とビジネスも違う。地域で実践している人たちから学べることはいくらでもあるんです。

地域づくりには答えがないからこそ、余白を残すという考え方は本当に大切だと感じました。私自身、ついついがっちがちに考えてしまったり、文章やプレゼンもつくりこんでしまったりするので、余白のデザインを忘れずに意識していきたいです。