世界と日本の風と土

世界と日本の風と土

日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

イギリスニューカッスル探訪記 Day10 The End is The Beginning

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

9日目の記事はこちら

windtosoil.hatenablog.com

 

初日の記事はこちら

windtosoil.hatenablog.com

 

帰国前日は、留学時にお世話になったHexham町のファーマーズマーケットとコミュニティセンターへ行ってきました。

 

Newcastle Central駅から西へ40分ほど。羊が放牧されているなだらかな大地を眺めながら進みます。国土の7割を農地が占めるイングランドらしい風景ですね。

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Hexham駅から町の中心部へ向かうとミルクティー色の石造りの町並みが見えてきました。こういう風景が当たり前に残っているのっていいよなあ。留学中にも思ったけど、ときどき日本は客引きの看板や旗や音声などちょっとやりすぎてるなと感じます。

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さあ着きました。Hexhamのファーマーズマーケットは月に2回ほどHexham大聖堂前の広場で開催されています。留学時にはここでオーガニック農家さんの販売のお手伝いをしたり、アンケート調査のチラシを配らせていただいたりしていました。地元のコミュニティに仲間入りさせていただけるようで嬉しかったな。

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以前お世話になっていた農家さんを探したけど出店していなくてちょっと残念。でもコロナ前にも増して賑やかなHexhamの日常が見られてよかったです。

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ぐるりと見て回りながら日本へのお土産を調達しました。

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マーケットをあとにして歩いていたら、ばったり面白そうなイベントに遭遇!ネットゼロフェアとな。日本でも最近、脱炭素とかカーボンニュートラルとかゼロカーボンとか耳にするようになりましたが、海外では'Net Zero'という表現が主流みたいです。

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会場となっている図書館には気候変動やサスティナビリティに関する書籍がずらり。

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ヴィーガンフードの試食もありました。図書館だけど紅茶片手にいただきます。豆腐をのせたバゲットがおいしかった。

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そのほかにも電動自転車の展示、住宅への再エネ・断熱導入サポート、地産地消の促進、政治参加による気候変動対策の推進など、ネットゼロに向けたライフシフトの取り組みが紹介されていました。

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その後はアンティークショップを物色して、以前お世話になったコミュニティセンターに顔を出して、コロナ禍を乗り越えたことを称え合い(笑)、Hexham大聖堂に立ち寄って帰りました。

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ここで家に帰ると思いきや、友人の家へ向かいます。

 

まずは日本から持ってきたカレーうどん(カツカレーが流行っているようですがカレーうどんはまだ上陸していない模様)とフリーズドライの具沢山味噌汁で腹ごしらえ。喜んでもらえたようでよかった!

 

そのあとはケーキづくり♪ 今回はTahini and halva browniesをつくりました。ピスタチオ、ピーナッツ、ゴマの風味とダークチョコレートがマッチしてすごく中東を感じるエキゾチックなお味。美味でした。

 

ケーキを食べながら研究のことや日本とイギリスの博士課程の違い、恋バナ、家族のこと、コロナ禍の過ごし方など、いろいろお話しました。友人は年間何本も論文を出してるフードマーケティングの専門家で、博士課程の学生も4人も面倒をみていて、授業もして、すごく忙しいはずなのに、休日はお菓子づくりしたりガーデニングしたり甥っ子姪っ子と遊んだり、ほんとに時間の使い方がうまいなあと思います。尊敬。

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おうちについてからはひたすらパッキング。スーツケースの半分がお土産でうめつくされました。ビールが破裂しないことを祈るばかり。

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***

これにて10日間のニューカッスル滞在は終了です。

 

コロナで追い出されるように帰国した4年前は後ろ髪をひかれるような想いだったけど、今回は背中を押してもらえるような気分でイギリスを発ちました。ニューカッスル大学Centre for Rural Economyとのご縁もまたつながったので、これを機にあらためて国際的な視野も広げていこうと思っています。

 

いつか日本の農村に海外の研究者の方々を案内して、国を超えたローカル to ローカルのネットワークを築くのが夢です。そのときにちゃんと日本の現状を伝え、それぞれの国から学び合い、いっしょに未来を考えて行動していけるように、今日もこれからも研鑽をつんでいきたいと思います。

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イギリスニューカッスル探訪記 Day9 Community Hub

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

8日目の記事はこちら

windtosoil.hatenablog.com

初日の記事はこちら

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今日は地域づくりを支援するコミュニティコーディネーターの方にインタビュー調査をさせていただきました!インタビュー後には現地にも連れて行ってくださり、実際にいくつかの活動を見学することができました。

 

今回お話をお聞きしたのは、Prudhoe町(これでプルドーとよむ 最初プルードホーと言ったらイギリス人も間違えるよっておしえてくれた)の地域活動をサポートされているコーディネーターさんです。

 

Community Action Northumberland(CAN)というノーサンバランド州全体の農村コミュニティの支援に取り組むいわゆる中間支援組織からPrudhoe町へ派遣されているとのこと。ジョブタイトルは 'Development Officer' で、CANからお給料をもらいながら週3回程度勤務されているそうです。

 

いろいろとお話をさせていただきましたが、

●もともとパブリックマインドが強く利益を得ることにはあまり興味がないからこの仕事は性に合っているんだ
●Prudhoeに住んでいないからこそ外部からの意見を伝えられたり外の組織や専門家とつなぐことができるんだよ 
●仕事の7割は表にみえない事務的な作業で3割がコミュニティでの活動だから、コーディネーターは目立たないところでの戦略づくりが大事になってくるんだ

などなど、日本の地域調査で見聞きしたものと重なる部分もあり、とても興味深かったです。

 

ひととおりインタビューを終えたところで、「このあとPrudhoeに行くけど一緒来るか?」と誘ってくださり、そのまま現地へ行けることになりました!どうやら週に1回の現地訪問日だったようです。

 

Prudhoeは人口1100人ほどのMarket townで、ニューカッスル市街からは公共交通機関で40分ほどのところに位置しています。Prudhoe駅と街中が離れていることがまちづくり上の問題になっているとのことで、住民の多くは車で移動しているそうです。たしかに遊びに来る町というよりは暮らしがある町という印象を受けました。

 

Prudhoe町に着いてさっそく見せていただいたのがBee BedとPocket Park

 

Bee Bedは木のツルでつくられたハチさんがアイコニックな花壇で、季節ごとにハチや虫たちの好む植物が植えられているそうです。このプロジェクトはPrudhoe町の気候変動と生物多様性に関するアクションプランに含まれています。

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Pocket Parkはメインストリート沿いにある住民の憩いの場です。もともとは荒れ果てた土地だったそうですが、地元企業やボランティアの協力を得て、このようなオープンスペースに生まれ変わったそうです。

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空間をつくるところから活用するまでのプロセスは住民と地域の接点をつくる上ですごく重要になってくるなと思いました。

 

Prudhoe町の地域活動はPrudhoe Community Partnershipという団体が中心となって進めています。3つの拠点(①Prudhoe Community Hub、②East Center、③Spetchells Centre)の管理・運営を軸に、Prudhoe町が住む人や働く人にとってより魅力的な地域になるよう様々なプロジェクトを動かしています。

 

①Prudhoe Community Hub

今日はボランティア活動の相談会が開催されていました。フレンドリーなおばちゃんやおじちゃんが紅茶を飲みながら楽しそうにおしゃべりしていて、何か地域に関わりたいなと思った人が気軽に立ち寄れる場になっています。

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②East Center

もとは学校だった施設で、ユースセンターや成人教育の拠点として活用されてきましたが、老朽化に伴い大規模な改修が予定されているようです。コーディネーターさんが特に力を入れて伴走しているプロジェクトであり、いくつもプランを練って話し合いを重ねているようでした。

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③Spetchells Centre

1階には図書館、2階にはミーティングルームやPrudhoe Community Partnershipの事務所などがあり、3階には町役場やその他のオフィスが入っている複合施設です。今日は仕事探しの相談会がおこなわれていました。日本でも “地域の人事部” のような取り組みをたまに目にすることがありますが、地域の仕事は求人サイトに載っていないものも多く、人からの紹介がうまくいきやすいようです。

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ここでコーディネーターさんとはお別れ。1時間だけのインタビューのつもりが3時間もご一緒させていただき、とても充実した調査になりました。ありがとうございました。

 

午後はグレインジャーマーケット内に新しくできたベーグル屋さんKINGBABYBAGELSでランチをして、大学で作業をしたりPhDの学生や先生方とおしゃべりをしました。

 

農村移住について研究されているPhDの学生さんが日本の移住定住促進政策や移住研究にとても興味をもってくれました。国は違えど同じテーマでつながれるのは嬉しいですね。いつかどこかで共同研究などできたらいいな~。

 

夜はパブご飯を食べにHaymarket駅前のCrows Nestへ。

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f:id:foodwriter:20240325120253j:image(イギリスではパブも大事なコミュニティハブですね)

 

Hellim Cheese (ハルーミチーズ) が食べたくて ‘ Battered Hellim' を注文。バターソーテーのようなものをイメージしていたのですが、出てきたのは揚げ物。

 

あれ、Fried とは書いてなかったと思ったんだけどな、とよくみたらButteredではなくBatteredでした。Batterは衣 (小麦粉と水を混ぜたとろとろした生地) という意味もあるんですね。ビールと最高にマッチして美味しかった!

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さあ、明日は日本帰国前のラストデイです!どうなることやら。

 

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イギリスニューカッスル探訪記 Day8 Grab a Pint

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

7日目の記事はこちら

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初日の記事はこちら

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今日はインタビューのアポ取りメールに追われていたらほとんど午前中がおわってしまって、ひょっとしたら今からインタビューできるよっていう人があらわれるんじゃないかって期待していたけど、誰からも返信はなく。。

 

お昼はニューカッスル大学・Centre for rural economy(CRE)で農村イノベーションにかかわる研究者と実践家と行政官のプラットフォーム(National Innovation Centre for Rural Enterprise | NICRE)を運営されている先生とお茶をして、夜は別の先生方とパブへいきました。

 

コーヒーでも飲み行く?

パブでビールでもどう?

と、気軽に誘いあえるイギリスの雰囲気がとても好きです。

 

お昼はコーヒーを飲みながら、どうやったらアカデミックの知見と実践的な活動を結びつけられるだろうか等々、お話をさせていただきました。NICREは英国中の複数の大学と地域活動をサポートする中間支援組織、各地域のコミュニティ組織や企業、関連省庁と連携して、農村地域のポテンシャルを引き出すべく、研究活動やエビデンスに基づく政策提言、実践支援などをおこなっています。私が将来的にやりたいことに近いかも!と大興奮でありました。

 

夜はパブへ行こうと別の先生と約束していて、誰でも誘ってね~と伝えていたところ、結果10人ほど集まってくださり賑やかな会になりました。ニューカッスル大学から徒歩3分くらいのThe Trent Houseに集合。

 

みんなだいたい1杯くらい飲んで、好きに話して、各々自由なタイミングで帰っていきます。この気軽さがよいんです。日本にもパブ文化がほしいものですね。何をしたわけでもないですが、イギリスの研究ライフという感じの1日でした。

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