世界と日本の風と土

世界と日本の風と土

日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

イギリスニューカッスル探訪記 Day7 Rural Research

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

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今日は盛りだくさんでした!Newcastle大学でCentre for Rural Economy(CRE)のイベントに参加したあと、インタビュー調査でStamfordham村へ。

 

大学へ向かう途中St. James駅を通ったのですが、ニューカッスルユナイテッドに染められていたので思わずパシャリ。いつか試合でも観てみたいものです。

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CRE主催のイベント‘CRE Research Showcase & Networking Lunch: Critical food, farming, environment, and rural issues’ では、イギリスの農村研究のトレンドを知ることができました。

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農林漁業すべてにまたがる領域で研究がなされていて、
●サステイナビリティ・・・カーボンフットプリント表示と消費行動の関係、フードウェイスト対策、乳牛から排出されるメタンの分析、ネットゼロへ向けた農村コミュニティの支援、持続可能な小規模漁業、持続可能なツーリズム
ジェンダー平等・・・農業農村地域における女性の役割
●貧困・・・生活費の高騰が農村世帯に与える影響、社会保障システム
メンタルヘルス・・・農家のWell-being、気候変動に対する不安、テナントファーマーの権利
●ルーラルイノベーション・・・農村起業の支援、農村ビジネスのレジリエンス
などなど、どれも興味深かったです。

 

1人3分ずつのピッチをまわして、あとで気になる人に声をかける形式。とても楽しかった。日本の大学でもこういう場をつくりたいなあ。

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お昼ごはんはヴィーガンソーセージかチキンのトマト煮込みとコロコロポテトフライ。7日目にしてやっとイギリス料理らしいものを食べた気がします。

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f:id:foodwriter:20240325113848j:image(日本のお菓子もよろこんでくれました キットカットよりもアルフォートの方が人気)

 

お腹も知的欲求も満たされたところで、Stamfordhamという人口650人ほどの小さな村へ(イギリスの行政区としてはパリッシュコミュニティに相当します)。Stamfordham Village Hall(日本でいう私設公民館・コミュニティセンターのようなもの)を拠点に活動されているコーディネーターの方々にお話をお聞きしました。

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この施設の歴史は長く、なんと16世紀からはじまります。もとは学校だったようです。

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大きなホールは結婚式の二次会や誕生日パーティーなどで使われているそうで、こうした施設のレンタル料で自主財源の確保にも努めているとのことでした。

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キッチンも設備されていて、コロナ禍ではランチボックスをつくって周辺のお年寄りのお宅に届けていたそう。日本の農村でも似たようなお話は聞いたことがあったので、考えることは一緒だなあと思いました。

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f:id:foodwriter:20240325114120j:image(手づくりマーマレードも販売中)

 

コミュニティコーディネーターの方々は結婚やお仕事を機にStamfordhamに移住されたそうなのですが、この場所にたくさん助けられたからこそ、今その恩返しをしているのだとお話してくださいました。ここを維持管理して次世代につないでいくということがとても大切なのだとおっしゃっていて、まさにPlace attachment(場所愛着・地域愛着)だなあと感じました。

 

若い世代など今はコミュニティに関わろうとしていなくても、いつか関わりたいと思ったときにこの場があるようにKeep goingするんだという姿勢もとても印象的でした。

 

ちなみに、今回のインタビューは月曜日に参加した国際交流コミュニティGlobeで、以前からお世話になっていたPhilipさんに再会し、研究のことをお話したことから実現しました。協力してくれそうな友達いるよ〜とつないでくださったのです。本当にありがたかったです。

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インタビュー後にはPhilipさんのお宅で夜ご飯をごちそうになりました。めっちゃおいしかった。もりもりいただきました。

f:id:foodwriter:20240325114434j:image(お豆とひき肉のトマト煮込みにチーズをどっさりかけて)

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(奥様の手づくりミンスパイ♡)

 

ご飯を食べたあとは、あたたかい光の落ち着くお部屋で大きなコーチに腰かけながらゆったりおしゃべり。日本でいうお茶の間というのか、こたつでまったりしているような感覚に近かったですね。ヒュッゲとかフィーカとか、こういう時間のことをいうのかもしれません。

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PhilipとHelenといろいろお話をしたけれど、18才の頃に戻れるとしたら別の道を選ぶ?っていう問いが心に残っているなあ。

 

私は同じ道を選んでいた気がします。PhDまで進んだかは別として、18才の時点では農村地域の暮らしや環境問題についてもっと知りたいという漠然とした想いしかなくて、逆にいうと、ほかにやりたいことや興味があることがあまり思い浮かばなかったです。

 

これまで歩んできた道に後悔はまったくなく感謝もしています。それだけでほんとうに幸せなことだなとあらためて感じた夜でした。

 

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イギリスニューカッスル探訪記 Day6 Train Trap

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

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今日は特急に乗って北の方の村へ向かいます。

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電車のチケットは駅の券売機でも買えますが、Trainlineでネット購入しておくと楽です。ちなみに1年以上など長く滞在される方はRailcardを買っておくとお得。

www.london-ryugaku.com

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チケットも買って、電車に乗り込んで、よし発車するぞ~わくわく!

 

と、思ったら、ん、あれ、動かない。いっこうにホームから動きません。何が起きてるんだあああ。

 

しばらくするとアナウンスが…Terminateってきこえたんだけど、まじかあ。。。でたよ、イギリスの電車ポンコツあるある。

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ホームに立ち尽くす人びと。LNERのスタッフも状況を確認中なのでわかりませんっていうし、なんなんだ。農村へ行くとなるとバスの本数が少ないので、電車一本逃したらもうおわりなのです。。。

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結局、Landslipが原因でエディンバラ行きは全部運休になりました。あーあ。(地滑り?危ないよね、、まあ、行く前でよかったよ、帰れなくなる方がいやだもん)

 

こんなときはクロワッサンにかぶりつくのだ!泣

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なんていい天気なんだろう。。フィールドワークできたら最高だったのになぁ。

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大学で作業をして帰宅しました。

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ニューカッスル滞在も折り返し。しっかり食べて後半戦に備えます!

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イギリスニューカッスル探訪記 Day5 TEA

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

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今日はとってもいいお天気でした〜 イギリスの晴れは幸せです。

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f:id:foodwriter:20240320152435j:image(何もあげられないよー あ、名前はボウというらしい)

 

今日は以前ニューカッスルに住んでいたときに本当に大好きだった今はなきTea House「Quilliam Brothers」の居ぬきにできた新しいTea House「Claremont Teahouse」へいってきました。

 

じゃじゃーん。紅茶のメニューだけでもこんなに!さすが!


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でも私の心は決まっているのです。Earl Gray。

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ティーカップのなかにミルクが入ってる、斬新)

 

ここでちょっと小ネタを。私アールグレイが大好きなのですが、実はこのお茶、ある政治家に由来しているそうなんです。


Charles Grey, 2nd Earl Grey (1764-1845)


ノーサンバーランド州出身の貴族で、イートン校からのケンブリッジ大学を出たエリート中のエリート。22歳で政治家になり、66歳からの4年間英国首相として選挙法の改正や奴隷貿易の廃止など、民主主義の発展に大きく貢献したそうです。


この方がベルガモットオイル入りの紅茶を気にいり、お茶商人につくらせたことからアールグレイブレンドが誕生したのだとか。


ニューカッスル市街地のど真ん中には、アールグレイさんのモニュメントがあります。
このモニュメントは抗議デモの会場となることが多く、今も彼が民主主義の象徴となっていると思うと、とても印象的な光景にみえるのでした。


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(写真は2019年9月の気候危機デモの様子)

 

あれぇ全然スコーンがこない。。しびれを切らして店員さんに声をかけたら忘れてたらしい。まあ、あるね、こういうことは。

 

しょうがないと思っていたら、「出すのがすごい遅くなっちゃってごめんなさい、、お代はいらないです。何かほかに飲みたいものありますか?」ですって!日本のサービスにもまさる神対応なんだが。実に珍しい。ありがたくDirty Chaiを注文しました。

 

閉店まで残すところ10分。お腹がたぷんたぷんになりました。

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f:id:foodwriter:20240320152400j:image(スコーンはこうでなくっちゃ🥰)

 

夜はインターナショナル学生交流コミュニティ「The Globe Café」に顔を出してきました。留学時には大変お世話になりまして、英語を練習させてもらったり、イギリスのお菓子を一緒につくったり、家探しを手伝ってもらったり(イギリスではシェアフラットが一般的なので知り合い伝手で探すと安心)、なによりいろんな国の方々と出会う機会をいただきました。

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(4年前と変わらず地元のみなさんが温かく迎えいれてくれてとっても嬉しかった)

 

今日はイースタースペシャルということで、イースターにまつわる寸劇をみたあとにいくつかの問いについておしゃべりをしました。

 

Globe Caféを運営しているのはクリスチャンコミュニティなので、キリスト教の教えを知る機会も結構あります。私はクリスチャンではないのですが、ヒンドゥームスリムの学生も参加していますし、いろんな考えを学びあうオープンな雰囲気です。なんだかこういうのが多様性のほんとうの理解につながるのだろうなと思います。

 

f:id:foodwriter:20240320152423j:image(2つ目の問いが先日訪れた水俣から受け取ったものに近いような気がして、ああ、もう、人間社会はぶっこわれてるんだなと思って、fixするためにはどうしたって自然とのつながりや日本の自然観の原点に立ち返るような営みが必要だなと思ってしまう自分がいた。信じているだけでは救われないと私は思うから行動もしていこう。)

 

ニューカッスルに留学する方がいたらぜひ参加してみてほしいです。基本的にJesmond Parish Churchで毎週月曜日の19時~21時半にやってます(出入り自由)。安く夜ご飯も食べられます。

 

ホリデーのときはお休みだったり、いろいろイベントもあるので詳細はWebサイトでチェックしてみてください ↓

www.the-globe.org

 

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