世界と日本の風と土

世界と日本の風と土

日本とイギリスで農村計画を学ぶ女子学生のブログ。いかしいかされる生態系に編みなおしたい。

イギリスニューカッスル探訪記 Day9 Community Hub

4年ぶりのニューカッスル滞在ブログです。

8日目の記事はこちら

windtosoil.hatenablog.com

初日の記事はこちら

windtosoil.hatenablog.com

 

今日は地域づくりを支援するコミュニティコーディネーターの方にインタビュー調査をさせていただきました!インタビュー後には現地にも連れて行ってくださり、実際にいくつかの活動を見学することができました。

 

今回お話をお聞きしたのは、Prudhoe町(これでプルドーとよむ 最初プルードホーと言ったらイギリス人も間違えるよっておしえてくれた)の地域活動をサポートされているコーディネーターさんです。

 

Community Action Northumberland(CAN)というノーサンバランド州全体の農村コミュニティの支援に取り組むいわゆる中間支援組織からPrudhoe町へ派遣されているとのこと。ジョブタイトルは 'Development Officer' で、CANからお給料をもらいながら週3回程度勤務されているそうです。

 

いろいろとお話をさせていただきましたが、

●もともとパブリックマインドが強く利益を得ることにはあまり興味がないからこの仕事は性に合っているんだ
●Prudhoeに住んでいないからこそ外部からの意見を伝えられたり外の組織や専門家とつなぐことができるんだよ 
●仕事の7割は表にみえない事務的な作業で3割がコミュニティでの活動だから、コーディネーターは目立たないところでの戦略づくりが大事になってくるんだ

などなど、日本の地域調査で見聞きしたものと重なる部分もあり、とても興味深かったです。

 

ひととおりインタビューを終えたところで、「このあとPrudhoeに行くけど一緒来るか?」と誘ってくださり、そのまま現地へ行けることになりました!どうやら週に1回の現地訪問日だったようです。

 

Prudhoeは人口1100人ほどのMarket townで、ニューカッスル市街からは公共交通機関で40分ほどのところに位置しています。Prudhoe駅と街中が離れていることがまちづくり上の問題になっているとのことで、住民の多くは車で移動しているそうです。たしかに遊びに来る町というよりは暮らしがある町という印象を受けました。

 

Prudhoe町に着いてさっそく見せていただいたのがBee BedとPocket Park

 

Bee Bedは木のツルでつくられたハチさんがアイコニックな花壇で、季節ごとにハチや虫たちの好む植物が植えられているそうです。このプロジェクトはPrudhoe町の気候変動と生物多様性に関するアクションプランに含まれています。

f:id:foodwriter:20240325115854j:image

 

Pocket Parkはメインストリート沿いにある住民の憩いの場です。もともとは荒れ果てた土地だったそうですが、地元企業やボランティアの協力を得て、このようなオープンスペースに生まれ変わったそうです。

f:id:foodwriter:20240325115849j:image

f:id:foodwriter:20240406145553j:image

 

空間をつくるところから活用するまでのプロセスは住民と地域の接点をつくる上ですごく重要になってくるなと思いました。

 

Prudhoe町の地域活動はPrudhoe Community Partnershipという団体が中心となって進めています。3つの拠点(①Prudhoe Community Hub、②East Center、③Spetchells Centre)の管理・運営を軸に、Prudhoe町が住む人や働く人にとってより魅力的な地域になるよう様々なプロジェクトを動かしています。

 

①Prudhoe Community Hub

今日はボランティア活動の相談会が開催されていました。フレンドリーなおばちゃんやおじちゃんが紅茶を飲みながら楽しそうにおしゃべりしていて、何か地域に関わりたいなと思った人が気軽に立ち寄れる場になっています。

f:id:foodwriter:20240325115842j:image

f:id:foodwriter:20240325115832j:image

f:id:foodwriter:20240325115837j:image

 

②East Center

もとは学校だった施設で、ユースセンターや成人教育の拠点として活用されてきましたが、老朽化に伴い大規模な改修が予定されているようです。コーディネーターさんが特に力を入れて伴走しているプロジェクトであり、いくつもプランを練って話し合いを重ねているようでした。

f:id:foodwriter:20240325120117j:image

f:id:foodwriter:20240325120052j:image

 

③Spetchells Centre

1階には図書館、2階にはミーティングルームやPrudhoe Community Partnershipの事務所などがあり、3階には町役場やその他のオフィスが入っている複合施設です。今日は仕事探しの相談会がおこなわれていました。日本でも “地域の人事部” のような取り組みをたまに目にすることがありますが、地域の仕事は求人サイトに載っていないものも多く、人からの紹介がうまくいきやすいようです。

f:id:foodwriter:20240325120141j:image

f:id:foodwriter:20240325120145j:image

 

ここでコーディネーターさんとはお別れ。1時間だけのインタビューのつもりが3時間もご一緒させていただき、とても充実した調査になりました。ありがとうございました。

 

午後はグレインジャーマーケット内に新しくできたベーグル屋さんKINGBABYBAGELSでランチをして、大学で作業をしたりPhDの学生や先生方とおしゃべりをしました。

 

農村移住について研究されているPhDの学生さんが日本の移住定住促進政策や移住研究にとても興味をもってくれました。国は違えど同じテーマでつながれるのは嬉しいですね。いつかどこかで共同研究などできたらいいな~。

 

夜はパブご飯を食べにHaymarket駅前のCrows Nestへ。

f:id:foodwriter:20240325120300j:image

f:id:foodwriter:20240325120253j:image(イギリスではパブも大事なコミュニティハブですね)

 

Hellim Cheese (ハルーミチーズ) が食べたくて ‘ Battered Hellim' を注文。バターソーテーのようなものをイメージしていたのですが、出てきたのは揚げ物。

 

あれ、Fried とは書いてなかったと思ったんだけどな、とよくみたらButteredではなくBatteredでした。Batterは衣 (小麦粉と水を混ぜたとろとろした生地) という意味もあるんですね。ビールと最高にマッチして美味しかった!

f:id:foodwriter:20240325120256j:image

 

さあ、明日は日本帰国前のラストデイです!どうなることやら。

 

***

windtosoil.hatenablog.com