あけましておめでとうございます。2024年がはじまりました。
まず、胸が苦しくなる災害や事故を前にして、華やかだったはずのお正月も色あせていく日々を感じています。被災・被害に遭われた方やそのご親族はじめ、悲しみや不安や苦しさに押しつぶされてしまいそうな環境にある方々が少しでも早く穏やかで健やかな日常をとりもどせるよう願ってやみません。
日本のあちこちで悲しみが渦巻いていて、世界では今も戦争がつづくなか、自分にはなにができるのだろうかと、どうしてもマイナスの方向に感情がひっぱられそうになるのですが、今できる自分の精一杯として、支援の輪を少しでも広げることと、自らの日常を大切に生きていくことが第一ではないかと自分自身に言いきかせているところです。
久しぶりのブログは、新年の抱負というほどでもないのですが、新しい年をはじめるにあたって、なにか書きたい衝動が生まれてきたので、フリーライティングで書いてみようと思い、自分のなかに浮かんでくる言葉をそのまま打ち込んでいます。
いつもはブログの構成を結構ちゃんと考えて、どんな人に何を伝えられたらよいかなと構想を練ってから文字にしているけれど、即興的に書くのもたまには手触り感があってよいですね。
さて、2023年はどんな年だったか、ということと、2024年はこんな年になったらいいな、ということを綴っていきたいと思います。
2023年はですね、ちょうど年を迎える直前に岡本太郎展へいっていて、全身であのエネルギーをあびてしまったので、とにかく私もエネルギーを放出していきたいな!と、気持ち的にギラギラしておりました。
毎年なんとなくテーマは決めていて、
2021年は「根を張る」
2022年は「幹を鍛える」ときていたので、
2023年は「枝を伸ばす」にしようと思い、岡本太郎氏のモチーフのように、にょきにょきとした生命力あふれる感じをイメージしながら過ごしていました。
ただ、ふりかえってみると、これといって目立った変化や成長はなかったかもなあと感じます。爆発は起こせなかったな。どちらかというと、じわじわと、ふつふつと、じっくりことこと(?)、自己認識を深めたり、人との向き合い方を考えたり、論文の書き方を一から学んだりと、静かな時を味わっていたように思います。
とくに、論文を書くことにしっかりと向き合うのはしんどかったです。論文は残るし、書くからにはいいものを書きたいという欲と、調査して得られたデータはこれ以上でも以下でもないのだから言えることはここまででしょう、と冷静に自己を制する思考がぶつかりあうような感じで、うまく表現できなくて苦しかったなぁ。頑張り方がわからなかったのです。
その時の手書きのノートにはこんなことが書かれていました。
後のち痛感することになるのですが、自分の納得と世間の評価はちがう、ということも心に刻まれました。
研究以外だと、新しくはじめたこともちらほらありました。どれもちょっとしたことなのですが
・朝日を浴びながらの白湯、瞑想、読書
・寝る前に小説を読む
・母のレシピを記録すること
・研究作業に入る前に年表に目を通すこと
・里づくりに関する研究と実践と政策をつなぐnote
・勉強会などにおける話題提供
noteを書いたり話題提供をさせていただいたりというのは、やってみて私自身も気づかされることが多く、力不足を痛感しながらもこの道でもっと役に立ちたいという強いエネルギーが湧いてきています。と同時に、何かを伝える際には、誰かを傷つけてしまう可能性や無意味な憶測を生んでしまう危険性もあるということに繊細にならないといけないなという自覚も芽生えました。
「悔しいという気持ちは自分の本当の願いの裏返しでもある」と尊敬する方から教えていただいたことがあります。
私は自分が研究の道を進んでいることにまだまだ自信がもてないし悔しいことばかりです。表現することを恐れています。
だけど、不完全でも表現してみれば、そこから広がる世界もあることも知ることができたのは昨年の収穫でした。
そんなことを手書きのノートにも書いていました。
道に迷ったら自然のなかに入れば大丈夫。目の前のことや自分の思考に支配されて苦しくなったときは、山に登ったり、川に流されたり、焚き火を囲んだりしていれば、おのずと感覚が進む方向をおしえてくれます。
さあ、そろそろ2024年の話をしましょう。昨年から引き継がれた課題はいくつかあるのですが
・研究と実践のどちらにも知を活かせる知的体力を高める
・放出したエネルギーの舵取り=モードの切り替え
・こわがるよりもおもしろがる
これらを意識していきたいと思います。
そして、今年のテーマは「節」に決めました。この1年の大きな目標は、博士課程の修了つまり自分の研究に一度区切りをつけることなので、節目の年になります。
かれこれ10年ほど研究を続けてきて、自分に何が為せるかなんてわからないまま好奇心やご縁に身をまかせて進んできました。うしろを振り返ってみえる風景と、今の自分の前に広がる世界の両方を博士論文に映し出すことができたらなぁと思っています。
そのためにも、モードの切り替えをうまくできるようになりたいですね。「節」にはリズムをつくる旋律という意味もあるので、動と静の抑揚をつけたり、転調させてみたり、あそびごころを持ちながらメリハリのある生活をおくっていきたいです。
いい仕事したなと感じられる生き方をしたい
これも2023年に時折浮かんできた感覚でした。かっこいいな、すてきだな、と思う人たちは志がまっすぐで、逆風に吹かれようと大嵐にさらされようと倒れない力強さとしなやかさがあります。そして、自分のことや目の前のことだけでなく、全体と未来を見据えている。
私もそんな人間になりたいと思います。その人たちと共にいると思ってしまうのです。いい仕事をしてよりよい未来を後世につないでいきたいと。
私は日本の里山をフィールドにしたいと思っているのですが、里山だけみていてもノスタルジアに染まってしまいそうで、いい仕事にはつながらない直感があるので、都市のまちづくりや人びとの価値観や世界の動きなども観察しながら動いていきたいと思います。そのための修行先をみつけるのも今年の目標です。
こんなところかな。今浮かんできたことはだいたい書けたと思います。
最後に、2023年に心が動かされたもの・ことを並べておわりにします。
○中村哲医師のドキュメンタリー
○社会教育士メンバーと浜田市合宿
○南城市美術館
家のなかにピカソやダリや草間彌生などの美術品が展示してあって本当にすばらしかった
○何にもしない合宿
○川遊び・野宿したときの朝日
○デイビッド・ホックニー展
抽象的な表現の方が具体的にみえる不思議を感じた
○浦幌町3年ぶり奇跡の再訪
中学生たちと畑でつくった無水カレーおいしかったなぁ
働くことはどういうことかを考えさせられた
○涸沢カールまさかの日帰り
○根橋さんの新米
人生史上最高級のお米をいただきました ありがたし
○学会発表
学会の楽しみ方がわかったような気がした
発表後のいただきもの やさしさが沁みた
○獣の奏者
2024年も、健康にスタートできたこと、関わってくれる人たちがいること、エネルギーが湧いてくる環境にいられることに感謝して、日々の小さな幸せを大切にしながら生きていきたいと思います。
みなさまにとってもよき1年となりますように。